絵になる

コーヒーカップに

あたたかい珈琲が

注がれるだけで

絵になる

沸き立つ

湯気と香りだけでさえ

宝物を前にしたかのように

気持ちが高揚する

一口そっと飲むと

悪戯好きの妖精が

猫舌を虐めることも

あるけれど

それでいても

なんとも言えない気分に

体全体が

心全体が

安堵感に包まれ

一方で

穏やかな精神が覚醒する

珈琲を飲んでいる姿が

ガラス越しに映っているのに

気づくと

なんだか様になっているような

気がして、絵になる

コーヒーカップに注がれた

あたたかい珈琲

それは恋人のようなもの

いつも絵になる風景を作り出す