サンプル・イメージ

そんな人間だと思われていたのか

Sample image

違うよ全く都合が良すぎるよ

わかるはずもないか・・・

 

押し付けがましいちっぽけな期待は

裏切ってしまう癖が僕にはあるようだ

あきらめてくれてありがとう

 

僕には僕の人生がある

 

これでやっと

旅をはじめることができる

追い求めているのは

そんなちっぽけな物じゃない

僕にとって、とても大きなものさ

本当の満足

本当の自己実現

True image

 

ひけらかした眼差しが

解き放たれた空前の

星屑色に錆び付いた象牙を

花びらに変えた

 

花びらに乗り込むと

安定の悪い絨毯の上を滑り込んで

山の頂から羽を広げて

蒼い海をすれすれに羽ばたいて、いく

 

ジャングルの沼地に身体をうずめ

膝に付いたヒルを

ひとつ、ひとつ 削ぎ落として

筏を作って川を下って行く

ワニの牙に泡粒のヒジテツをくらわした

僕はどうしてか強かった

 

強い力は、にもかかわらず本意ではなく

柔らかな心の持ち主に生まれ変わることを

望むと、銀の雨が降り注いだ

僕は身体の中にその雨粒を溜めこんだ

 

紺碧の虹をよじ上り

たわわ たわわと 叫びながら

居心地のよいイデアの泉に

ため息を落とした

 

クオーターな感傷で僕は殻を破り

どうやら、法則のない感性に支えられ

わたくしと自称しても赤らまない自分を得た

 

澄み切った青空を見上げて深呼吸

 

ようやく詩作の許される環境を

手にできた

 

 

( 詩と思想 土曜美術出版販売 2015. 06 掲載・一部改訂 )