ラプラスの悪魔

全てを知り

未来をも予見し得る知性

 

それは神ではなく

悪魔とよばれた

 

もともとは

古典物理学からの発想であった

 

世界に存在する全物質の位置と運動量を

知る知性が存在すると仮定すれば

古典物理学の立場から

原子の時間発展を計算することが可能であり

その先の世界がどのようになるかを

完全に知ることができると考えられた

 

ラプラスの死後、

二十世紀に入って

量子論が出現し

古典物理学の矛盾が

指摘される現象が発見され

ラプラスの悪魔は「否定された」

 

もてはやされる真実めいたことは

来たるべき時が来れば

真実ではないかもしれない

 

この不確実な現実に

人間は存在している

 

真実めいたことは神ではない

実は悪魔的存在であるかもしれない

 

では何を拠り所にして

生きていけばいいのだろう

 

それは、いたって単純だと考えている

 

科学のみに真実があると判断しないこと

科学で解明できることは信じ

一方で、解明できないことに対しては

静かに頭を垂れ、うやまう精神を

忘れずにいること

 

アインシュタインも同じ趣旨の

発言をしていたと記憶する

 

身近にいて自分の生きざまを

支えてくれる人の存在

 

自分自身が精一杯

取り組んでいること

 

天に向かって手を合わせる

感謝の気持ちを忘れないこと

 

悪魔の餌食にならず

神の恩恵を受けるに値する

自己実現を目指すこと

 

拠り所は

いくらも存在している

 

そして、必ず、

天使が舞い近づいてくる

 

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