久しぶりだね

元気そうな青年が

診察室に入ってきた

 

「久しぶりだね」

 

小さいときから診ていた

少年が、今では立派な青年

 

生き生きしている

目が輝いている

きっといいことがあったのだろう

すぐに推測はついた

 

「医学部に合格しました」

 

言葉にとても重みがあった

うつむき加減の日々から

顔を上げて

堂々と生きていくぞという

やる気がみなぎっている

 

五年間浪人して

つかみ取った進路

 

その重みに感動した

新幹線のように順当に速く進まなくても

自分なりに自分の目標をつかみ取る

それでいいんだよ

君のこれからにエールを送る

 

救急医療に取り組みたいって!

もう次の目標があるんだね

人の役に立つ立派な医師に育ってください