大切な消しゴム

大切な消しゴム

イチゴの香りのする

ピンク色のお気に入り

 

それが真っ二つに割れて

片方はどこかに行っちゃった

 

おうちに帰ってきて

筆箱を開いたまま

しくしく泣いている

 

学校であんなことが

あったからなんだ

 

友達が消しゴム忘れて困ってた

何も考えずに

「使えばっ」て

とっさに自分の消しゴムを

真っ二つに割って

渡してあげた

 

おうちに帰って

チョッピリ、

大切な消しゴムを

そんな風にしてしまったこと

後悔してた

 

でもすぐに

「イチゴは一つより二つの方がいいよね」

そう独りごとを言って

いつもの笑顔に戻った