アルファルド

深夜の日常

ほんのり灯した室内灯の

薄いオレンジ色

 

わずかに本を読める程度の

薄いオレンジ色

 

ページをそっとめくった瞬間

僕は宇宙に浮かんでいた

 

周りには明るい星がない

ここは何処だろう

 

僕自身がオレンジ色に

光っていた

 

そう、きっとアルファルド

 

僕は孤独な星

海蛇座の中にいるんだ

 

少し疲れているのだろうか

少し寂しいのだろうか

 

たぶん、誰かを探している

たぶん、君を探している

 

僕は宇宙に浮かんでいる

周りには明るい星がない

だから僕が光っている

その方が見つけやすいだろう

 

僕が見つけられたら

反射する光を鏡で作って

僕に合図してくれるかな

 

そしたら僕はもっと輝いてみせる

そしたら君も宇宙に浮かんで

みればいい

海蛇座の中に来ればいい

 

そしたら鏡の合図しなくても

一緒に輝いていられるんだ

 

僕はきっと孤独な星、

アルファルド

 

宇宙の片隅で

君に気づかれるのを

待ちわびて、輝く星

 

深夜の日常

ほんのり灯した室内灯の

薄いオレンジ色

 

わずかに本を読める程度の

薄いオレンジ色

 

ページをそっとめくった瞬間

僕は宇宙に浮かんでいた

 

僕は宇宙に浮かんでた

 

周りに明るい星がない

海蛇座の真ん中で

僕自身がオレンジ色に

光っていた

 

そう、きっと

僕はアルファルド