幻の部屋

夢なのだろうか

幻の部屋

 

二〇畳くらいの大きさで

大きなTVと

リクライニングソファが

無造作に置いてある

 

薄暗い部屋は

天井が高くて

どこかの南国の孤島で

暮らしている

セレブの隠れ家のよう

 

トイレも

洗面台も

浴室も

無駄に思えるくらい

広くて爽快

 

どれだけ鼻歌を歌っても

誰にも迷惑をかけない

 

ジャグジーを堪能したあと

ぬれたままガウンを着て

大きなベッドに大の字で

横たわる

 

幻の部屋

夢なのだろうか

 

目覚めると現実の部屋

自分のベッドから

起き上がった

もう一度

幻の部屋に戻りたい

と、思いながら