忍べずの街

忍べない京都

 

およそ40年前、

かつての京都は

はんなりと

わびさびを考える

余裕のある街だった

 

哲学の道もほぼ一人きり

あれこれ思索にふけり

西田幾多郎にあやかった

 

花見小路に

人影は少なく

品のいい上品さと

京都人のプライドを

支えてくれていた

 

今の京都は、忍べない

 

こんな観光都市計画を

誰が考えたのだろう

なんで四条通は

狭くなったのだろう

なんとまあ、みすぼらしい

雅の消え去った通り

 

京都は忍べる街

それが本来の姿

 

観光都市 京都

それは

忍べない京都

 

京都人から京都が

奪われていく