眼と形相

動かぬ瞳

悲しいのか

嬉しいだけなのか

それすらもわからない

無機質な非常用ボタン

触れてはNARANAI !

わけを類推して諦めるため息

 

碧い瞳

何を見ているのか

瞬目もせずに

右の眼から涙がこぼれている

足跡を牽引する過去からの涙

左の眼はその流れの先端を傍観する

冷徹な・・・AMARINIMO !

 

表情を失って、開かれた瞳は

人形の目(凝結)

 

固視された私は

不整合な鍵を

無理やりに押し込まれた鍵穴でしかない

 

しかし

左の眼からも流涙するなら

私はあなたを助ける事ができるかもSIRENAI !

 

うつむいたまま、見上げ

見上げたまま、相変わらず私を見るその瞳

それでも

わたしには、嫌いになることがDEKINAI !

人形の目(融解)

 

錆びた鋼鉄の振り子に乗せて

形相の変化を待ちわびている

そんな自分に気づいてしまったのだ

NINGYOU NO ME(変容)

 

 

( 詩と思想 土曜美術出版販売 2014.06掲載 )