遙かなる奏

聞こえてくる

遙か彼方から

 

乾いた大地を超え

分水嶺を横切って

 

熱風を模した姿で

送り届けられて来る

 

音色の調べは儚く

紙風船を

繰り返し繰り返し

叩くに似た

わずかな微笑み

 

遙かなる奏は

冷めゆくことなく

心根を育んで

通り過ぎる