流線形の思考

流線形の朝日を浴びた

 

カーテンが開かれ

立ち上がる陽の光を受け

自然に目が覚める

 

邪魔にならない程度の

硫黄成分を含んだ霧が

窓から遠くに立ちこめている

 

あの辺りに湖があるのだろう

 

とりとめもなく

外の景色を描写しているうちに

意識がはっきりしてきた

 

珈琲を飲みながら

やはり窓の外を眺めている

 

制約のない時間が

漂っているのは

時計の秒針が

止まっていることでわかる

 

自分がどこにいるのか

そんな意識も希薄に

立ち去ってゆき

 

ガウンを脱いで

ジャグジーで

体温を元通りにする

 

用意された新しいガウンは

肌柔らかく

 

もう一度ベッドに仰向けになって

流線形の思考に溺れていく

 

そのまま真昼の流れ星になって

宇宙に浮遊するジプシーのように

放浪するだろう

 

流線形を保ったまま