夜と霧
V・E・フランクルに捧ぐ。
いつの間にか
パトスに浸かり
紛れ込む場所を
捜していた
夜、そして霧
視界の薄れた世界で
心のベクトルは
内省に向かう
霞がかった面影は
わたくしの魂を
鷲づかみにせよ
よく洗うのである
そして、元の場所に
返すのだ
夜と霧は
陽の光に溶解し
新たな朝に
変わるだろう
夜と霧が
新たな朝に変わる時
人は再生を迎える
再生は夜と霧を
否定して
人間らしさを
取り戻すのだ
夜と霧がなければ、
矛盾するが
再生は現れない
夜と霧を教訓として
人間は生きてゆく