吐息
吐息が風に揺れた
風はどこにもいないのに
吐息が風になびいた
あなたはいないのに
吐息が風に揺れた
夢の途中にあるのだろうか
吐息が頬をつたった
右の頬にも、左にも
思い過ごしだろうか
いろいろな感傷が
心に木枯らしを踊らせた
その吐息は風に吹かれて
飛んで行ってしまった
一週間したら戻ってきますと
書き置きを残したまま
吐息の感触だけが
友達でいてくれる
そんな世界観が渦を巻いている
落とし物をしたように
吐息を探して夢の中を
歩いて過ごす
現実を生きているのだろうか
それとも夢の中をさまよい続けて
いるのだろうか
枕を外して眠りに落ちてみる