未来への追憶
未来を追憶してみる
日本人の数も
半分近くになった
アンドロイドと
共存している
車が空を飛んでいる
車を運転している人がいると
ちょうど、
スマホに変わっていくタイミングで
ガラケーの携帯電話を閉じる音がすると
珍しそうに注目されていた頃と同じ
今時って、顔される
テレビも空間に浮かんでいて
大きさも自在に変えられる
リモコンなんて遠の昔になくなった
見る気がなくなったら
空間から消えてくれる
現金もずいぶん見ていない
いつの間にかすべて仮想通貨で
数字が動いているだけ
銀行に行っても窓口はなく
全部ATMのような機械があるだけ
当然、銀行強盗なんて
盗むものがないから誰もしない
現物支給なんて言葉もノスタルジー
何かを運ぶのはすべて
AIでコントロール管理された機械
汗を流して頑張っている人を
見かけることが少なくなった
買い物へ行ってもレジはない
仮想空間に
実は生活しているのだろうかと
疑う人もいない
どんな外国語で話しかけられても
自動的に翻訳されて
意味が通じるから
外国語を一から学ぶ必要がない
機械の体を探して
宇宙へ行く必要がない
iPS細胞を元に
3Dプリンターのようなもので
そっくりそのまま臓器を作り
交換するだけで済んでしまう
手術じゃなくてAIが処置してくれる
外科医って人間じゃなくて
ビッグデータを搭載した
AIロボットが起動するだけ
CTもMRIもない
すべてスキャナーを使って
画像処理して3Dで確認できる
輸血も
他人の血液を
いただかなくてよくなる
映画で見た世界が
現実の世界に取って代わったが
人間の想像力は
むしろ拡大し深まっていった
かつてテレビで見ていた
ウルトラマンの胸にあった
青い光が赤の点滅にかわるのと
同じように
もうすぐ寿命終了のサインという認識で
死の概念が変容してしまった
それでも
輪廻転生を信じたりする
こころを大切に、生きている