ビードロ細工
ぽっぺん
ぽっぺん
息を吹き込むと
色彩豊かなガラス細工から
ノスタルジックな音が響く。
シャボン玉が飛んで行って
そのまま消えてしまうには
余りにもの寂寥の念。
その感傷を打ち消すように
もう一度戻ってくる音の奏
わずかに暖かさが耳に残る。
歌麿が浮世絵に描いた
「ビードロを吹く女」
寂しさを懐にしまい込んで
ビードロ細工を口に
ぽっぺん
ぽっぺん
プライド高く生きている。
いつの世にもある
一抹の寂寥を裏返す
ガラス細工の響きに
諸人は救われている
ぽっぺん
ぽっぺん、と