心に草原を
まんまるの水槽に
金魚がゆらゆら泳いでいる
餌を吸い込んでは吹き出すのを
繰り返し眺めている
そうしているうちに
熱い夏は過ぎ去ってゆく
・
短い草むらが
風に誘われて
なびいている
バッタの居場所は
何処じゃろか
午後の風が
草むらと戯れている
・
心に草原を持てば
夏と戯れ
風の清涼感をほんの少し
感じていられる
・
夏の草原を
風が走る
心が走る
いつのまにか
暑さを忘れている
・
水槽の金魚は
相変わらず
ゆらゆらと泳いでいる