ガラス戸

雨が降っている

急に激しくなって

窓が痛々しい音で

揺れている

しばらくして

急に雨はやんだ

カーテンを開けて

空模様を眺めた

ガラス戸には

雨粒が流れていた

今度は

ガラス戸が

涙を流している錯覚に

出会ってしまった

視覚が研ぎ澄まされ

フォーカスする場を

見失ってしまった

鳥の声が聞こえた時、

日常のありふれた

空間の中に

感情が呼び戻された