歌わなくなったカナリア

綺麗な声で

歌っていたカナリアが

鳴かなくなった

孤独なのかな

部屋を変えたからかな

話し相手が来なくなって

臍を曲げてしまったのかな

鳥籠に近づくと

嬉しそうに少しだけ

歌ってくれるけれど

時間が経つと

何も言わなくなってしまう

「今日は連れて行ってくれないの」

「誰が連れて行ってくれるの」

あなたは

歌を忘れたカナリアのように

寂しげに遠くを見ている

そうだね

早くもとの部屋に戻してあげようね

もっとたくさん話してあげましようね

きっと、きっと

歌を思い出すよ

いつも歌っていた歌を

カナリアは

綺麗な歌で陽気に過ごし

それを聞く人の

心をなごましてくれなきゃね

歌わなくなったカナリア

歌を忘れたカナリア

きっと、きっと

そうではなくて

聞いてくれる人がいないから

歌わないだけだよね

早くもとの部屋に戻してあげようね

もっとたくさん話してあげましょうね

そしたら

綺麗な声で歌ってね

約束したよ