一人暮らしの学生

自虐的に

自分を眺めてみると

確かに自分という存在が

わからなくなる

新しい発見は特になく

ただ過去や現在に

縛られているだけの

つまらない存在

自分が

価値のある人間だなどと

考えたこともない

自分は

無価値な人間だと

卑下することは

場合によっては起こりうる

”どれもこれも、馬鹿馬鹿しい”

そう思って

思考停止する

車のギア・チェンジ

室内灯のオンオフ

気分がすみやかになる、

そんな音楽の

ボリュームをアップする

珈琲の香りと

そばに好きな女でもいて

熱帯魚を眺めていれば

自分らしさが回帰する

背負っているものを

全て忘れ

日常から逃走して

自由の海原に

浮かんでいれば

何かが報われるだろうか

友達の車を借りて

夜の海岸線を眺めに行こう

海は暗闇に包まれて

波の音と潮の香りだけが

流れている

いつものように

遠くの防波堤の

点滅する灯りを見ていよう