精読のすすめ 〜重要な書籍はノート化するための道具になる〜
Notationによる文章の記号化ないし図形化を試みるのは20代からの習慣的読書法だった。文章をそのまま読んでいると、何かが、はっきりしない表現でぼんやりと姿を表すLoomなイメージがあり、思考回路が鮮明に整理できない。そこで、マーカーや色ボールペンを用いて、文章の三次元化を行う。書き込むための余白部分が足りない時には、ノートやカードに整理し直す場合もある。ちょっとした耳学問で知り得た情報は、カードにまとめるようにしている(今なら、スマホのメモ機能の方が便利ではあるが)。見直す機会があればカテゴリー分類したり、全く違ったジャンルを結びつけて異なる発想に連関することがあり、予想外の情報に変化することがある。これからもこの方法を続けるだろうが、それは書物の種類による。ほとんど読むことはないが、ビジネス書や自己啓発本にはこういう細かい作業の必要がない。なぜなら、吸収し得る価値のある情報はまずないからだ。これからは、時代に遅れないように新しいものを取り入れながら、一方で、若い時期に読んで理解が追いつかなかった哲学書を、特に再読してまとめることに重きをおこう。好奇心はますます高まり、衰えを知らない。重要な書物は、私にとって、書き込み、まとめ、色だらけにしてしまう、一種のノートみたいなものだ。