アイデンティティの儀式

足音が

感情の起伏を想起させることがある

軽快な足音は何かいいことが

あるのだろうと聞き流す

足取りの重さは心の重さ

ネガティブな乱流に巻き込まれ

沈み込んでしまう前に聞き流す

足音は聞き流すもの

決して、辿ってはいけない

誰かの足音と自分の足音の間に

自分の意識が仁王立ちする

心が取り乱しているのだろう

意識を自分の内側に引き戻して

「らしさ」を取り戻すには

自己礼賛儀式が必要になるくらい

足音には魔物が潜んで笑っている