戯れの空想
好奇心の扉を開くと
ニューヨークの街が現れた
寒さに震えながら
ニューヨークの街角を歩く
・
一定間隔に置かれたベンチは
凍えたまま固まっている
・
横風に飛ばされて
足元を通り過ぎようとする
新聞紙を拾い上げた
興味のない記事ばかりに
うんざりしてゴミ箱に
投げ捨てた
・
古ぼけたネオンに導かれて
酒場のカウンターで
バーボンを頼んだ
特に話しかけられることもなく
特に話しかけることもなく
体が温まったところで
店を後にした
・
しばらく歩いた後で
好奇心の扉を閉じた
・
ロングコートの襟を立てて
見慣れた街角を
いつものように歩いていた
左手がやけに冷たくなっていた