季節感覚の化石化

寒さに別れを告げて

暖かさに挨拶をする

寒さは着重ねれば

凌げるというが

身体閉塞感が高まる

寒さの中では

衣服だけでなく

情緒も思考も

枠組みの中で

生きている

昨今の暑さも

耐え凌ぐ限度を

超えてしまっており

一概に

夏などの季節感が

好きだとは

言えなくなってしまった

寒さではなく

暑さでもなく

暖かさ

あるいは

温かさ

季節を指すのではなく

人や場所を言い当てる

飾り言葉と弁明すれば

合点がいく

季節が

拠り所にはならない感覚

それが日本にも訪れている