東京

バスに乗り込んだ

意外に乗客は数えるほどで

すぐに座ることができた

大通りから右折して

程なく少し狭い道を

バスは走っていた

シェルタリング・スカイ

曇天なら大都会でさえ

空の様子に差異はない

雨と霧の街並みを

窓越しに眺めていると

立ち並ぶビルと

傘をさして足早な人々の

無機質な有様が通り過ぎた

目を閉じて

無機質感から逸脱し

いつの間にか眠りこけていた

バス停に停車して

扉が開いたせいだろう

急に寒さを感じて

目が覚めた

次のバス停で降りよう

そう決めて立ち上がった

バスを降りると

雨が雪に変わった

傘をささずに

このまま

雪の中を歩いていよう

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