余市
宵の月
夜空の低い位置に
小さな満月が見えた
梅雨のせいで天候が
不安定なためか
雲が東に向かって
流れてゆくのを
月が照らしていた
・
満月の姿を邪魔しないように
流れる雲が月の下限を
流れて白く見える時
白い雲の中に
月の光の反射がして
雲海に月影が浮かび上がった
・
宵の月には
よりスモーキーな
ウイスキーが似合っている
・
疎ましい世事が
頭の中から遠のいて
酔い覚ましにもう一度
今宵の月と流れの早い雲を
眺めている
いつの間にか
心に晴れが戻っている