誰もいない待合室の

クリスマスツリーを眺めています

部屋の電気は全て消して

ツリーの点滅をぼんやりと眺めてみるのです

・

何も考えずに頭の中を空っぽにして

ぼんやりしてみたり

「クリスマスキャロル」に出てくる

スクルージおじさんと少年のことを

思い出してみたり

子供の頃に聞いた讃美歌の

透明な響きを思い浮かべたり

ふわふわと空から落ちてくる雪を

大きく開けたくちで受け止めていたことを

懐かしがったり

・

思い出すのは遥かかなた

子供の頃のことばかりかも知れません

・

クリスマスツリーは

僕の心の深い深いところで

なんだかあたたかい灯火を

絶やさずにいてくれているようです

・

・

・