あかんたれ

転んでも

土を払わず

空を見上げてみよう

それすらできずに

靴紐を眺めている

「そんなものさ」と

心の中の霜柱を頼りに

力なく立ち上がる

あかんたれ

それは多分

自分に向けた

いちばん優しい

励ましの言葉

あかんたれ、と

影がつぶやく黄昏

強がりばかりが

上手くなって

本当の涙は

夜の静寂に

預けてしまおう

言い訳ばかりを考えて

無為に時間が流れゆき

ポケットの中で

小さくなった夢が

まだわずかに

ぬくもりを残している

本当の姿を

人は見せずに生きている