うつろなこだま
虚な木霊なのか
確かに誰かの声が
あったはずの場所
意味を失った響きだけが
残っている
・
空っぽの、
見返りのない反響音が
辺りの雰囲気をさらってゆく
音だけが残存する
空虚な自然の中で
果たしてここには
誰かがいたのだろうか
・
喜怒哀楽の果てに
その余韻だけが
言語化できない感性の場が
具現化しているのだろうか
・
それともこれは非現実の
記憶や意識の内奥にある
盲目の情景なのだろうか
・
時が止まった静けさの中で
言葉が不動態化して
幽玄な空間だけが
存在感を披露している
・
実体のない儚さが
世の無情を示すように
生と死の境界線を曖昧にして
見渡す限りの翳りが
寂しげにそこに、在る
