お風呂に入る

湯船につかると

リラックスしてホッとする

体が温まって緊張がほぐれる

浮力がかかって体が軽くなる

それだけだろうか

湯船につかるとは

胎内記憶へのいざない

母の体内で

温もりを感じながら

羊水に浮かぶ安堵

子宮を蹴飛ばしながら

おどけてみせる遊戯

湯船につかるとは

記憶にない胎内記憶が

脳の海馬をノックして

母性の安らぎに回帰する

その儀式的行為

神宮には神が宿り

皇宮には天皇がいらっしゃる

子宮からは命が芽生える

「宮」という表現の語源性に

心が惹かれる

尊い存在が宿り守られるべき

中心となる空間

さらに「宮」を分解すると

「宀」は人が住む、覆われた空間

「呂」は秩序正しく整った構造を示す

そして

風呂の「風」とは熱い蒸気

風呂の「呂」とは体を温める部屋

湯船から胎内記憶へ

そして生命の芽生えへ

湯船につかるとは

母性に加護される

尊き場所へ戻ることが許される

唯一の所作であるのかもしれない