猫
オリーブの木陰に
白い猫が佇んでいた
なんだか寂しそうに思えたので
上着の中に包んで抱きしめた
・
猫は大人しくしていたので
家に連れて帰った
・
上着の中から
そっと抱き起こすと
薄茶色の猫に変わっていた
・
眠りから醒めてこないので
白いバスタオルに包んで
そっと撫でながら
膝の上に置いて眺めていた
・
小一時間も経っただろうか
むくむくと起き出して
優しい瞳でこちらを向いた
不思議に
白い猫にもどっていた
・
そのまま膝から飛び降りて
部屋の中をぐるりと徘徊すると
急に窓の隙間を潜り抜けて
そのまま姿をくらませた
・
名前をつける余裕もなく
猫は猫のテリトリーに
帰っていった
・
オリーブの木陰で
佇んでいるのだろうか
そして
僕は余計なことを
したのだろうか
