少年は傷ついた

経験のない恋心に気付いて欲しいと

執拗に追いかけられて、とまどった

 

少年は悲しんだ

分からない恋心を突きつけられて

分かってもらえない、本当の自分

 

少年は力を失った

おとなたちの争いごとに板挟みになって

無気力を装うことしかない

学校に行かないことしかない

体調が悪いと訴えることしかない

 

少年は新しい出会いを得た

今までに聞いたこともない

言葉と励ましに触れた。

それでいいんだと、

少しずつ自分を取り戻していった

 

少年は勇気を得た

一人でもやっていける

あの言葉と励ましさえあれば、

そう実感できるようになった

 

少年は青年へと成長した

本当に、一人でやっていけると

 

逢えないのは少し寂しいが

変わらず、君を、見守っている