偶然への思索の試み
プリンターの調子が悪くて
活字しか書いていない本を
プリントしてみたら
想像もしない偶然の産物として
幻想的な絵画のような
デザインが出てきた
不思議だ
いったいこれは何だろう
暗雲の立ちこめる
現実から
砂丘を越え
立ち上っていく
一本の線
蜘蛛の糸の中間地点だろうか
暗雲の地下をくぐり抜け
この糸にしがみつきながら
登って行こう
この糸から
手を離しさえしなければ
新しい世界が待ち受けている
はるか上を見上げると
まだまだ、ほど遠い
あの青空の世界
それを信じて
登って行こう
競争する必要もない
慌てる必要もない
わたくし独りに与えられた
蜘蛛の糸