たぐり寄せる

道端に

ロープが落ちていた

 

何かいいことがあるだろうか

たぐり寄せてみれば

手応えを感じることが出来るだろうか

 

期待に胸を膨らませる

 

ゆっくりとたるんだロープをたぐり寄せると

きっと何かあるはずだ

そうでも考えないことには

ロープを引っ張る意味がない

 

ゆっくりと

着実にロープをたぐり寄せていった

 

手応えがあるような気がする

何だか軽すぎるような気もする

 

まだ、ロープの先は見えてこない

 

たぐり寄せるもよし

そのまま手放してしまうもよし

 

結論を確かめずにいられないなら

トコトンたぐり寄せる

 

その勇気がないとか

途中で興味がなくなったとか

そういう場合は、ロープを道端の

人の迷惑のかからない場所へ

蹴飛ばしてしまう

 

信じたことが幻想なら

ロープの端がじきに見え始める

 

何かいいことがあるなら

ずっしりとした実感が喜びに変わる

 

だけどつまらないものが

くくられているかもしれない

 

まるで、

海釣りしている時の手応えのようだ

鯛が釣れるのか

それとも目的に叶わないゴミに

かかっただけなのか

 

予測するのは釣り上げて

形を確認した時だけだ

 

人生なら

もう少し見通しが良くないと

ロープを引き寄せる気にはなれない

 

いってみれば、

宝くじみたいなものだ

たいてい外れを引くものだから

 

人生、

一度くらい当たりを引いて

終わりたいものだ