アプリコット色の夢

アプリコット色の世界にいた

そこには私欲を肥やすという

概念がなかった

街ゆく人は笑顔で会釈し

挨拶の言葉は

朝も昼も夜も

「ありがとう」

自分自身もいつの間にか

アプリコット色に染まって

手にも足にも心にも

寒さを感じなくなっていた