セファラード

セファラード

それはスペイン生まれのユダヤ人

たまたま手に入れた彼らの音楽CD

離散した民たちが伝承したロマンサ

そこには深い悲しみだけではなく

希望や聖書的世界観、

ラテンからアラブのリズムまでもが融合されて

ヨーロッパを駆け巡って行った

ユニークさが秘められている

ポルトガルの民族音楽であるファッドのような

重厚感も溶け込んでいるような気配が

ロマンサからは感じ取れる

何者でもあって何者でもあり得ない

音楽は人間の運命だとか宿命だとか

言葉に収まりきらない何かが

表現されていることを改めて思い知らされる

セファラードの誇り高き熱情と

流した涙のしょっぱさの両者が伝わってくる