小雨

小雨に揺れながら

ひとつひとつ踏みしめる

アスファルトの道

地面から蒸発する

小雨の匂いに

穏やかな感情を

握りしめている

夏の日の夕立なら

雨宿りの場所を探すことに

気を取られるだろう

だけど、

小雨なら

濡れたまま歩き続ける

小雨に揺れるのは

ちっぽけな感傷

自分の感情の中に

棲んだまま

周りの風景、

触れることが出来る

小雨は品のよい

街の風景