待宵草

三日月の夜に

待宵草を踏みつけた

 

あたりがあまりに

暗いので

気がつかなかった

だけなんだ

 

だけど

許してもらえは

しなかった

 

どうしたら

許してくれるか

聞いてみた

 

アメリカへ

帰りたい

帰りたい

マツヨイグサは呟いた

 

根ごと掘り起こして

袋に詰め

 

たまたま通りかかった

流れ星に

事情を話して

アメリカまで

運んでもらうことにした

 

マツヨイグサは微笑んだ

 

三日月の

おかげかな

君が踏んでくれた

おかげかな

 

そうささやいて

 

夜空の中へ

消えてった