挙げ句
挙げ句
たどり着いたのは
潮風の香りがない
湖畔の小さなベンチ
座り込んで背中を丸め
ため息をつく
足元の湿った砂に
足をうずめる
・
挙げ句
そこから抜け出すには
素足で立ち上がり
歩く感覚を
足の裏で受け止めながら
湖面に背を向けるしかないことに
気付いた
あまりにも
当たり前すぎる所作はつまらない
湖面を見ながら後ろ向きに歩こう
・
街中に戻った時
裸足のままであることに気がついた
雨上がりのアスファルトの感触を
その時初めて体感した
・
挙げ句
日常の中にとどまる窮屈から逃走し
ふたたび日常へと戻る時
新しい自分が見つかる
・
論は飛躍し
旅に出たくなった
日常と非日常の往来を超えて