木目

木目をじっと凝視する

 

ひとすじのラインが

語りかけてくる

 

寒かったんだ

だから

お隣さんの線まで

遠いでしょ

木の幹を

守るのが役目なんだ

 

木目どうしは

交わることもなく

ひとすじひとすじに

語り尽くせない

その年の出来事が

詰まっている

 

その孤独さと

力強さと

優しさが

落ち着きのある

光沢を放って

安堵感をいざなっている