本物の恋心って

チキンライスで

始まった恋

それは紛れもなく

見た目や

お金や

美辞麗句ではなく

ほんのりと香る

燻製のような

地味さであったり

癖の強い

スコッチ・ウイスキーが

舌に染みてゆく

味わいであったり

食べたこともない

チーズを疑心半疑で

噛み締めて

美味しいと思う

ごく日常の

一風景みたいな恋

そんな気持ちで

いられるなら

時価で値段のわからない

料理を気にせずに

食べていたって

いつでも

チキンライスに

戻れる

美味しそうに

笑顔で

チキンライスを頬張る

心持ちを忘れない