白い朝

それは

白い朝だった

 

無限に収束する

ありふれた霧に包まれ

 

木立を駆け抜ける

デジャブにも似た

朝だった

 

水道水は

溶けて消え

 

大皿に盛られた

クロワッサンには

フォークが突き刺さっていた

 

窓を開けると

梢に蝶蝶が羽ばたき

美しいカラスが

泣いている

 

白い朝は

紛れもなく

日常を逸脱した

観念のなかで

微笑ましく

咲いていた