老い
老いてゆく
それは
誰もの必然
近くが見えにくくなる
体中の毛に白いものが
混ざってくる
場所によって
アンバランスに
関節の節々に痛みがきたり
代謝が悪くなって
体脂肪が増えてくる
身体の部品が故障し始め
時々に油を差さずには
動けなくなってくる
さびたブリキのように
オズの魔法使いを思い出す
若い時期に二階三階を
作ったところで
階段の上り下りが
苦痛になってくる
50過ぎれば
ゾンビのようなもの
ところが
脳に白髪は生えない
脳が萎縮するまでは
判断力や考える力は
残されている
眼に見える老化と
眼に見えない老化
例外はいくらでもある
ケンタッキーおじさん
カーネルサンダース氏は
晩年の成功者
65歳で
ケンタッキーの
フランチャイズ化をして
世界的な規模で成功した
経営していた
ガソリンスタンドの片隅に
設けていた10席に満たない
レストランコーナーから始めて
好評の味が彼の人生を
大きくした
オリジナルの味付けと
圧力釜を使った製法だけで
ケンタッキーが世界を巻きこんだ
誰も目を付けないところに
ちょっとの工夫を付け加えて
ガソリンスタンドの片隅にある
コーナーから
何処の国にもあるような
大きな店に拡大していった
世界中のケンタッキーの
店先で微笑んでいる
メガネをかけた太ったおじさん
例外を見習いたいものだ
少しの工夫を考えつくゾンビなら
老いても、人のために役立つだろう
脳に白髪が生えないうちに
見えない老化に抵抗していよう
そう考えている