背中の石ころ
背中が痛いと言っている
背中の皮膚に
何かが埋まっているのだ
指でたどってみると
石ころかと想ったら
古代米の米粒が
眠っていた
そろそろ発芽しようと
考えていたようだ
発芽するのに
張りのよい肉厚な皮膚は
邪魔だったらしく
近くにある神経を
引っ張って
出してくれと叫んでいた
押し問答するうちに
古代米の米粒は
ふてくされて
黒い石ころに
様変わりしてしまった
取り出して
水につけてやったが
石ころのままだった
しばらくすると
溶解して
姿が見えなくなった