『不死鳥伝説』 第4章 〜死〜
フェニックスは、
時空を越えようとしていた
時空の鬼門には、結界の潜みがあった
〜それは存在のいかなるも越えられぬ掟〜
フェニックスにさえ、
時空の超越は困難であるというのか
宿命遺残への無知に
結界が干渉した
「諸人への救済がまだ残されている」と
結界の掟に焼きただれた翼は
もろくも骨粉となり、消滅へ向かった
傷ついたフェニックスが
天空から車輪のらせんを描き
地上へと近づいた
かの龍神と白蛇は、突如として憤り、
力動エネルギーの潜在全てを投棄して
不死の剣へと変幻自在し、
ついに、らせんに斬りつけた
恩恵の念と絶対存在への畏敬が
らせんの軌跡を止揚し始めた
強い雷鳴と感傷的な輝きが放たれ
翼は炎の羽ばたきを取り戻した
死は白蛇と龍神の融合によって
相殺され
死は、かようにして乗り越えられた
煩悩の浄化は、
あまねく存在を示すものに
突きつけられる、
恒久の背負いであったとは・・・