あるデザイナーへのノクターン

肺胞の色

赤い色

 

カエルの頬が

きれいな緑の

粘液質を翻して

拡大するのを

繰り返すように

 

もっともっと

多彩な

美しいデザインで

肺胞の色を

飾っていたに

違いない

彼は

天才デザイナーだから

 

装飾デザインは

身体の芯まで

行き届いて

神々しく

我々の記憶に

納められている

 

赤く

青く

白く

緑や

紫、

銀色や

金色で

肺胞を

着飾っているはず

 

彼は

天才デザイナーだから

 

そして、

審美眼は

静かなる森へと

帰っていった