ある日曜日の午後

ティーソーダが楽しみだった。

細長い透明なグラスで少し大きめの氷が浮かんでおり、ティーシロップが底に沈んでいて、その上にソーダー水の層が分離していた。それを少しずつストローで混ぜながら飲むのが好きだった

いつも通り、ティーソーダを頼んだ

ところが丸みを帯びたグラスだった。飲み物ってグラスの形が変わるだけで、味のイメージも味も別のもののように変わってしまう。あのグラスに入れてあのイメージであの味を楽しむはずだったが、そうはいかなかった。全く単純な話だが、飲み物とグラスの関係は思いの外、大切なことだ。きっと、入れた人にとっては、ティーソーダは客に出すだけで、自分で飲んだことがないのだろう。そうでなければかなり鈍感かセンスのない人なのだろう。

人って相手の人のために頑張ろうって思わなくなったら、相手もその人のために頑張ろうとしなくなるものだ。いつもの褒め言葉はやめにした。

次に、もう1度だけティーソーダを頼んでみよう。そして、例のグラスでなかったら、2度と頼まないだろう。