うすら明かり
右肩の光沢を
室内灯が照らしていた
オレンジ色の反射光が
ぼんやりと、ほどけて
紅暈の面影を演じていた
艶のある炎を握りしめて
もったいぶって
いるような有様だった
網膜へ結像する事象は
はかない。
ただ ぬくもりだけを
頼りに、
たどり着く場所が
心象の露出した
安寧の住処で
あることを祈った
肩に指を添わせると
その光沢は指先にとまり
羽を広げた
古びたカレンダーに
しがみついて
ゆらりと弾んで
跡形もなく
消えてしまった