この街

静かなのが好きだ

 

雨が降っても

晴れていても

 

寄り道は

舗道を歩いて

街路樹を眺めること

 

今年は

静かすぎて

しっくりこない

 

時代祭も

葵祭も

祇園祭もなく

五山の送り火も

簡略化される

 

こんなことが

あるなんて

一年前には

想像すらしなかった

 

静かなのが好きだ

 

しかし今は

意図している意味とは

違ってうつる風景が

目の前に広がっている

 

違って見える風景を

創り出しているのが

目に見えない微生物とは

皮肉なものだ

 

この街、

静かなのが好きだ