なみだ
おんなの涙は信じない。
ずっと前から、そう決めている。
だけどね、涙にもいろいろあるんだ
自分を分かってもらいたいために流す涙
信じてもらえるとでも思っているのだろうかと
無感情に時計に目をやる
感情的になって流す涙
ハンカチを差し出すわけがない
泣こうが、わめこうが、許す気は無い
おんなの涙は信じられない
ところがね、
慰めてあげたくなる涙・・・
あるんだ
瞳からこぼれ落ちない涙
悲しみを悟られないようにしていても
我慢しきれずに流れてしまった涙
見られないように
後ろを向いて
泣き顔を隠そうとする
そんなとき
おんなの涙であっても
慰めてあげたくなる
言い訳も何もない
そっと目尻をぬぐうきれいな涙
あの人の涙だけは、信じることが出来る