ぬくもりいらんかね
マッチ売りの少女は
売れないマッチに
火をつけて
暖かい妄想に
気を落ち着けた
どうして私だけ
こんなに寒い
雪の中で
マッチを擦っているのかしら
身も心も疲れてしまって
体温が消えていった
ぬくもりいらんかね
ぬくもりいらんかね・・・
大人になった
マッチ売りの少女には
マッチに火をつける必要がなくなった
自分の力で
大切な人を
心で温めてあげるように
なったから
呼びかけの言葉を
口にすることなく
ただ心の底で寄り添って
その人のことを思うだけでよくなったから